エクセル関数の覚え方は暗記じゃない!脳に定着する独学のコツ

「エクセル関数は暗記ではありません」というキャッチコピーと、脳の仕組みに沿った学習法を提案する記事のタイトルスライド。

SkillStack Lab 運営者の「スタック」です。

日々の業務で「あの関数、なんだっけ?」と手が止まってしまうことはありませんか。

エクセル関数の覚え方に関する悩みは尽きないもので、ネットで検索してはコピペして、また忘れて検索する…というループに陥りがちです。実は、私も以前は関数辞典を丸暗記しようとして挫折した経験があります。

しかし、ある時「関数は暗記ではなく、言語として理解するものだ」と気づいてから、劇的に定着率が変わりました。

この記事では、私が実践して効果を感じた、脳の仕組みに逆らわない自然な学習ステップをシェアします。

この記事で分かること
  • 丸暗記を捨てて「関数の語源」から理解するメリット
  • 入力支援機能を活用して構文ミスを減らすテクニック
  • 実務で本当に必要な重要関数の優先順位と選び方
  • 独学でも確実にスキルアップするための検索と思考のコツ
目次

初心者こそ知っておきたいエクセル関数の覚え方と基礎知識

まずは、具体的な関数名に入る前に「どうすれば忘れないか」という土台の部分をお話しします。

多くの人がやりがちな「英単語カードのような暗記」をやめるだけで、学習効率はグッと上がりますよ。ここでは、脳の仕組みに沿った「忘れないためのアプローチ」を解説します。

初心者は丸暗記より仕組みの理解を優先する

エクセル関数を覚えようとするとき、いきなり「=VLOOKUP(A2, $D$3:$G$100, 3, 0)」のような数式を、意味のない記号の羅列として暗記しようとしていませんか?

正直なところ、人間の脳はこの手の無機質な記号を長期記憶に留めておくのが非常に苦手です。

これが「勉強したのにすぐ忘れる」根本的な原因です。

私が最初につまずいたのもここでした。

でも、エクセルを「巨大な方眼紙」ではなく「住所(アドレス)を持ったデータの格納庫」だと捉え直したとき、景色が変わりました。

エクセルのセルは単なるマス目ではなく、データが入った「住所(A1など)」であるという参照の仕組みを図解したスライド。

関数を学ぶ前に理解すべきなのは、値そのものではなく「セルの場所」を扱う感覚です。

ここがポイント

数式を見たとき、「A1とB1を足す」と読むのではなく、「住所A1にあるデータと、住所B1にあるデータを持ってきて計算する」とイメージしましょう。

この「参照(リファレンス)」の概念が、関数の基礎体力になります。

この「参照」の意識が希薄だと、オートフィルで数式をコピーした際に参照先がズレてしまったり、数値に見える「文字列」を計算しようとしてエラーになったりといったトラブルに対応できません。

まずは「エクセルは住所を処理している」という物理法則を理解することが、遠回りのようで一番の近道になります。

すぐ忘れる悩みを解消する語源学習のロジック

関数名が覚えられない最大の理由は、それが「謎のアルファベット」に見えているからかもしれません。

実はエクセル関数の多くは、単純な英単語の略語であり、その「語源(Etymology)」を知ることで、機能と名前が論理的に結びつきます。

例えば、「SUM」はSummary(要約・合計)、「AVG」はAverage(平均)といった具合です。さらに、関数名の後ろに付く「接尾辞」にもルールがあります。

例えば、「IF」がつけば「条件付き」、「IFS」なら「複数条件(複数形のS)」、「A」がつけば「All(文字列も含むすべて)」といった法則性です。

SUM(Summary)やVLOOKUP(Vertical Lookup)など、主要なエクセル関数名の英語の語源と意味をまとめた一覧表。
関数名英語の語源・分解意味・イメージ
SUMSummary合計する
COUNTIFCount + Ifもし(If)〇〇なら数える(Count)
TRIMTrim整える・刈り込む(余分な空白を削除)
VLOOKUPVertical Lookup垂直(Vertical)に探す(Lookup)
ISERRORIs + Error?エラーですか?(判定する)

このように「機能と名前を英語の意味でリンクさせる」ことが、エクセル関数の覚え方における強力なフックになります。

「文字をきれいに整えたいから…美容院のトリミング…あ、TRIM関数だ!」というように、連想ゲームができるようになれば、もう丸暗記の必要はありません。

関数一覧のPDFを見るより役立つ入力支援機能

「すべての関数を空で記述できるようにならなきゃ」と思い込んで、壁に一覧表を貼ったりしていませんか?実は、実務のプロでも全ての関数のスペルや引数の順番を完璧に覚えているわけではありません。

彼らは「ツールの支援機能」を使いこなしているのです。

初心者の方に私が強くおすすめしたいのが、数式バーの左にある「関数の挿入(fxボタン)」を使うことです。

このダイアログボックスを使うと、「検索値」「範囲」といった日本語のガイドが表示されるため、カンマの位置や括弧の閉じ忘れを気にする必要がなくなります。

エクセルの「関数の挿入(fxボタン)」での日本語ガイド表示や、入力途中で候補が出るオートコンプリート機能の使い方解説。

数式オートコンプリートの活用

慣れてきたら、セルに直接「=SU」のように最初の2〜3文字だけ打ち込み、表示される候補リストからTabキーで選択する「オートコンプリート」を使いましょう。

これなら「AGGREGATE」のような長い関数名も、正確なスペルを記憶する必要がなくなり、脳のメモリを「どう使うか」という思考に割り振ることができます。

独学におすすめの本やアプリより重要な検索力

現代のビジネス環境において本当に役立つスキルは、400以上ある関数をすべて知っていることではなく、未知の課題に直面した際に「やりたいことから逆引きできる検索力」です。

プロのエンジニアでも、コードを忘れたら検索します。エクセルも同じです。

「エクセル 重複 削除 関数」や「エクセル 日付 曜日 計算」といったキーワードで検索し、解決策にたどり着くスピードこそが重要です。

エクセル関数を覚えるのではなく、「やりたいこと(重複削除など)」からキーワード検索して解決策を見つけるフロー図。

このとき、「どういうキーワードで検索すれば答えが出るか」という「検索キーの想起能力」を鍛えることの方が、個別の関数を覚えるよりも応用が効きます。

情報の鮮度に注意

ネット上の情報には古いものも混ざっています。

例えば、かつて必須だった「VLOOKUP」よりも、現在は「XLOOKUP」の方が圧倒的に便利でエラーも起きにくいです。検索する際は、情報の更新日や対象バージョンもチェックするようにしましょう。

「わからないことは恥ずかしいことじゃない、検索のチャンスだ」と割り切ると、学習の心理的ハードルが下がり、結果的に知識の吸収も早くなります。

面白いほど身につく英語の意味と引数の関係

関数のカッコの中身、いわゆる「引数(ひきすう)」の順番が覚えられないという声もよく聞きます。

これも、記号としてではなく「英語の文法」として捉えるとスッキリ理解できます。

例えばVLOOKUP関数なら、「VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型)」という順番ですが、これを英語の命令文として読んでみるのです。

VLOOKUP関数の引数(検索値、範囲、列番号、検索の型)を、「Look up this value...」のような英語の会話文として解釈する方法を図解。

Look up this value (この値を探して), in this range (この範囲の中で), give me column number (〇列目のデータをちょうだい), with exact match (完全一致でね)」

このようにエクセルに対して具体的な指示出しをする会話感覚を持つと、引数の順番を間違えることが劇的に減ります。

「誰に、どこで、何を」という5W1Hに近い感覚で構造を理解することで、カンマの位置に迷うこともなくなるでしょう。

実務で役立つ効率的なエクセル関数の覚え方と応用

ここからは、実際に仕事で使うシーンを想定して、効率よくスキルアップするための戦略をお伝えします。

教科書通りに全部覚えようとせず、実務で頻繁に使う「稼げる道具」から優先的に磨いていきましょう。

仕事で頻出する関数から優先順位をつける

エクセルには統計や財務を含めて400以上の関数が存在しますが、一般的なビジネスパーソンが日常業務で頻繁に使用するのは、そのうちの数十個程度に過ぎません。

まずは業務が回るようになる「生存レベル」の関数から攻略しましょう。

実務で頻繁に使用する「生存レベル」の関数として、集計系、検索系、論理系、整形系に分類して優先順位を示したリスト。

優先順位の高い関数カテゴリー

  • 集計系(SUM / COUNT / AVERAGE):基本中の基本。オートSUMボタンで事足ります。
  • 論理系(IF / IFERROR):条件分岐。「もし~なら」という思考をエクセルに実装します。
  • 検索系(VLOOKUP / XLOOKUP):別の表からデータを紐付ける、実務最強の武器です。

さらに、請求書の端数処理で必須となる「ROUND関数(四捨五入)」や、日付の表示形式を整える「TEXT関数」なども、実務では出番が多いです。

難しい高度な関数は、必要になった時に初めて調べれば十分ですので、まずはこれら「四則演算+α」の基礎を固めましょう。

(出典:Microsoft サポート『Excel 関数 (機能別)』

練習問題でVLOOKUP関数の参照を極める

脱初心者の最大の壁であり、実務で最もミスが起きやすいのが、VLOOKUP関数などを使う際の「絶対参照($マーク)」の扱いです。

数式をオートフィルでコピーしたとき、参照する範囲がズレてエラーになったり、意図しない数値を拾ってきたりした経験はありませんか?

これは、エクセルが気を利かせて「参照先も一緒に動かしてくれた」結果なのですが、表の範囲などは動いてほしくないですよね。ここで「$」マークを使って座標をロックする必要があります。

エクセルの絶対参照($マーク)を、船のアンカー(錨)でセルを固定するイメージに例えて解説した図。

絶対参照をイメージするコツ

$A$1 のように$がついた座標は、「宇宙空間で唯一無二の場所を指定してピン留めする」イメージです。

どこにコピーしても、絶対にA1セルを見に行きます。F4キーを押すことで、このピン留め($)を簡単に付け外しできます。

範囲指定をする際は、「この枠はコピーした時に動いていいのか、固定すべきなのか」を常に自問自答しながらF4キーを押す癖をつけましょう。これをマスターすると、関数のエラーや集計ミスが激減します。

難しい関数もパズル感覚で解くコツ

実務では、「氏名(山田 太郎)から苗字(山田)だけを取り出したい」といった、一つの関数では解決できない複雑な処理が求められることがあります。

こうした課題も、関数を組み合わせる(ネストする)ことで解決できます。

例えば、「FIND関数」でスペースが何文字目にあるかを探し、その数字を使って「LEFT関数」で左から文字を切り取る、といった具合です。

これはまさにプログラミング的思考そのものです。

複雑なエクセル数式をいきなり書かず、分解・図解・統合のステップでパズルのように組み立てる手順を示した図。

いきなり長い数式を書こうとすると混乱します。

「まずはスペースの位置を出す作業用セルを作る」「次にその数字を使って文字を切り取るセルを作る」というように、工程を分解してパズルを解いていくのがおすすめです。

慣れてきたら、それらを一つの数式に合体させれば良いのです。

IF関数などのネスト構造を整理する方法

「もし80点以上ならA、60点以上ならB、それ以外はC」のような入れ子構造(ネスト)になると、論理が複雑になり、カッコの数も合わなくなりがちです。

こういう時は、いきなりエクセルに入力するのではなく、紙やホワイトボードに簡単なフローチャート(分岐図)を書いてみることを強くおすすめします。

「Yesなら左の箱へ、Noなら右の箱へ」と図解することで、論理の破綻を防げます。

IFS関数の活用でシンプルに

最近のエクセル(Office 365やExcel 2019以降)なら、複雑なネストを使わずにスッキリ書ける「IFS関数」が利用可能です。「=IFS(条件1, 結果1, 条件2, 結果2…)」と並列に書けるため、修正も管理も非常に楽になります。

新しい関数を積極的に取り入れることも、業務効率化の重要なカギです。

エクセル関数の覚え方を定着させる実務活用法

最後に、私が最も効果を感じた究極のエクセル関数の覚え方は、「実際の自分の仕事で使ってみる」ことです。

市販のテキストや練習問題ファイルで100点を取るよりも、自分の日々の業務で使っている請求書フォーマットに「今日の日付を自動で出すTODAY関数」を一つ仕込む方が、記憶に深く刻まれます。

学習した知識を定着させるために、日々の業務を自動化してみるという具体的なアクションプランの提案。

なぜなら、そこには「楽になった!」「ミスが減った!」という強烈な成功体験(感情)が伴うからです。

まずは今日、いつも手入力しているその作業を「これ、関数で自動化できないかな?」と検索してみることから始めてみてください。

その小さな好奇心と改善の積み重ねが、あなたを「関数を覚えている人」から「関数を使いこなす人」へと変えてくれるはずです。

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