SkillStack Lab(スキスタ)運営者の「スタック」です。
最近、生成AIについて調べていると「Dify」という名前を目にする機会が増えてきました。
「Difyとは何?」「ディファイと読むの?」「ChatGPTとは何が違うの?」と気になって検索された方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、Difyは、生成AIを使ったアプリやワークフロー、AIエージェント、RAGなどを視覚的に構築・公開・運用できるAIアプリ開発プラットフォームです。
プログラミングコードを大量に書かなくても使えるため、エンジニアだけでなく、私のような管理部門の人間が業務改善のプロトタイプを作る場合にも活用できます。
ただし、「ノーコード=何のIT知識もいらない」という意味ではありません。複雑な業務自動化へ進むほど、変数、条件分岐、API、データ構造などの基本的な考え方も必要になります。
この記事では、Difyの読み方や名前の意味から、できること、ChatGPTとの違い、RAG、バックオフィスでの活用例、初心者が最初に何から試せばよいかまで分かりやすく解説します。
※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。Difyや各AIサービスの機能・料金・提供条件は変更される場合があります。
- Difyとは何か、名前の由来と読み方
- Difyでできることとノーコード・ローコードの意味
- 2026年現在のChatGPTとDifyの違い
- 社内データを活用するRAGの仕組み
- バックオフィスでの具体的な活用例
- 初心者がDifyを学ぶおすすめの順番
Difyとは?読み方と基本的な意味
Difyは、LLM(大規模言語モデル)を利用したAIアプリケーションやワークフローを構築・公開・運用するためのプラットフォームです。
Dify公式サイトでは、AIエージェント、RAGパイプライン、Workflowなどを開発・デプロイ・管理できるプラットフォームとして紹介されています。
最新の製品概要はDify公式サイトで確認できます。

Difyの読み方は「ディフィ」?「ディファイ」?
Difyの読み方については、少し注意が必要です。
日本では以前から「ディファイ」という読み方が広く使われてきました。一方、現在は「ディフィ」に近い発音で呼ばれる例も増えています。
ただし、2026年8月時点で確認できるDify公式の現行ブランドガイドには、カタカナ表記やIPAによる正式な発音は掲載されていません。
Dify公式GitHub内のコミュニティでは、現在の発音を「/dɪfɪ/」と説明する投稿がありますが、ブランドガイド上の正式な発音規定として掲載されているものではありません。
読み方で迷ったら
日本語では「ディフィ」と紹介されることも「ディファイ」と呼ばれることもあります。どちらの表記を見ても同じDifyを指していると理解しておけば問題ありません。本記事では以降「Dify」と表記します。
Difyという名前の由来
Difyという名前は、公式情報によると「Define(定義する)」+「Modify(改善する)」に由来します。
AIアプリを一度作って終わりにするのではなく、動きを定義し、実際の利用結果を見ながら継続的に改善していくという考え方です。
Dify公式では「Do It For You」という意味も紹介されており、現在のAgentic Workflowという方向性にもつながっています。
つまりDifyは、「AIとチャットするためのサービス」というより、AIに仕事をさせる仕組みを設計し、改善していくための基盤と考えると理解しやすいです。
Difyでできること5つ
Difyの全機能を最初から覚える必要はありません。
初心者は、まず次の5つができると理解しておけば十分です。
1.AIワークフローを視覚的に作る
Difyの代表的な機能がWorkflow Studioです。
「入力」「LLM」「条件分岐」「ナレッジ検索」「HTTPリクエスト」「ツール」「コード」「人による確認」などのノードをキャンバス上でつなぎ、処理の流れを視覚的に設計できます。
たとえば、次のような処理です。
- 問い合わせ内容をAIで分類する
- 内容に応じて社内ナレッジを検索する
- 必要なら外部ツールからデータを取得する
- 回答案を生成する
- 重要案件だけ人間の確認を挟む
コードを書かずに構築できる部分が多いため、「まず業務改善のアイデアを形にして試す」という用途と相性が良いです。
一方、API連携や複雑なデータ加工ではJSONやHTTPなどの知識が必要になる場合もあります。
Difyは「完全ノーコード」より、「ノーコード・ローコードでAIアプリを作りやすくするプラットフォーム」と考える方が実態に近いです。
2.複数のAIモデルを使い分ける
Difyでは、特定の1社だけではなく、複数のモデルプロバイダーを利用できます。
Dify Cloudでは対応モデルをAI Creditsで利用できるほか、自分で契約しているモデルプロバイダーのAPIキーを登録することもできます。
また、対応リストにない新しいモデルや独自モデルを追加できるプロバイダーもあります。
最新の対応状況はDify公式「Model Providers」で確認してください。
大切なのは、「一番賢いAIを1つ決める」ことではありません。
要約、文章生成、画像理解、埋め込み、音声処理など、それぞれの用途に合うモデルを選べることがDifyの強みです。
3.社内データを使ったRAGを作る
企業でDifyを使う場合、特に活用しやすいのがKnowledge機能です。
Knowledgeへ自社の文書を登録しておくと、ユーザーから質問を受けた際に関連する情報を検索し、その内容をLLMへ渡して回答させるRAG(検索拡張生成)を構築できます。
Dify公式では、RAGを次のような流れで説明しています。
| 処理 | 内容 |
|---|---|
| Retrieval | 質問に関連する情報をナレッジから検索する |
| Augmented | 検索結果を質問と一緒にLLMへ渡す |
| Generation | 検索した情報をコンテキストとして回答を生成する |
PDF、XLSX、DOCXなどのファイルだけでなく、Knowledge Pipelineではオンラインドキュメント、クラウドストレージ、Webクローラーなどのデータソースも利用できます。
詳しい作り方は、Difyナレッジの使い方とRAG構築手順で実際の流れを解説しています。
4.外部サービスやAPIと連携する
Difyは、AIだけで処理を完結させる必要はありません。
Tool、HTTP Request、API、MCPなどを利用して、外部のシステムとデータをやり取りできます。
また、現在のWorkflowではスケジュール、Webhook、プラグインイベントなどをきっかけに処理を開始するTriggerも利用できます。
たとえば、毎朝決まった時間にデータを取得してレポートを作る、外部サービスでイベントが発生したらDifyのWorkflowを実行するといった自動化が可能です。
Microsoft TeamsとのAPI連携については、DifyとTeamsをPower Automate・APIで連携する方法で詳しく解説しています。
5.作ったAIをWebアプリやAPIとして公開する
Difyで作ったWorkflowは、作成画面の中だけで利用するものではありません。
現在のDifyでは、作成したロジックをWebアプリ、APIエンドポイント、MCP対応ツールなどとして公開できます。
つまり、DifyをAIアプリを作るための裏側の基盤として利用し、自社システムや別の画面から呼び出すこともできます。

DifyとChatGPTの違い
ここで多くの方が疑問に思うのが、「ChatGPTがあるならDifyはいらないのでは?」という点です。
2026年現在、この2つを「ChatGPTは会話だけ、Difyは自動化」と単純に分けるのは正確ではありません。
現在のChatGPTには、GPTs、Knowledge、Actions、Apps、Company knowledge、Workspace agentsなど、業務を拡張する多くの機能があります。
違いは「できる・できない」よりも、どちらを中心に仕事の仕組みを作るのかと考えると分かりやすくなります。
| 比較項目 | ChatGPT | Dify |
|---|---|---|
| 主な役割 | 人が直接利用する汎用AIアシスタント | AIアプリ・Workflowを構築して運用する基盤 |
| 独自AI | GPTsでInstructions・Knowledge・Capabilities等を設定 | Workflow・Chatflow・Agentなどをノードで設計 |
| 外部連携 | AppsやGPT Actionsなどに対応 | Tools・HTTP・API・MCP・Plugin等に対応 |
| 社内データ | Company knowledgeやGPT Knowledge等を利用可能 | Knowledge・RAG・外部Knowledgeを利用可能 |
| 処理フロー | ChatGPT内の機能やAgentsを中心に利用 | 条件分岐・反復・トリガー・人の承認などを視覚的に設計 |
| 利用モデル | OpenAIのモデルを中心に利用 | 複数プロバイダーや独自モデルを接続可能 |
| 公開方法 | ChatGPT内での利用・共有が中心 | Webアプリ・API・MCP等として公開可能 |
たとえば「資料を要約してほしい」「文章を作りたい」「調査を手伝ってほしい」という日常業務なら、まずChatGPTを使う方が手軽です。
一方で、決められた処理手順を組み、複数モデルや社内データ、外部システムを組み合わせてAIアプリとして提供したい場合はDifyが有力な選択肢になります。
なお、ChatGPT側の機能も急速に拡張されています。GPTsにはKnowledgeやActionsがあり、Business・Enterprise・EduではSharePointなどの社内情報を扱うCompany knowledgeも提供されています。
「Difyならできる、ChatGPTならできない」と決めつけず、利用者、データ、連携先、運用方法を見て選ぶのが大切です。
DifyのRAGは何がすごい?
企業利用で特に分かりやすいDifyの用途が、社内文書を使ったRAGです。
社内規定やマニュアルを検索できるAIを作る
たとえば、総務部門には就業規則、申請マニュアル、福利厚生規程、各種手順書など大量の文書があります。
通常の生成AIは、それらの社内文書を自動的に知っているわけではありません。
そこでDifyのKnowledgeへ必要な文書を登録し、質問に関連する部分を検索してからLLMへ渡します。
たとえば社員が「結婚した場合の慶弔見舞金はいくらですか?」と質問した際に、関連する規程を検索し、その内容を根拠として回答させる仕組みを作れます。
RAGでも間違いがゼロになるわけではない
ここは誤解しないでください。
RAGを使えばAIのハルシネーションが「なくなる」わけではありません。
Dify公式も、独自データをコンテキストとして利用することで、回答をより正確・関連性の高いものにし、ハルシネーションを起こしにくくする仕組みとして説明しています。
しかし、検索された文書が間違っている、古いファイルが残っている、適切なチャンクが検索されない、質問の解釈を誤る、といった原因で誤回答する可能性は残ります。
RAGの精度は「AIの賢さ」だけでは決まらない
文書の整理、最新版の管理、チャンク分割、検索設定、権限管理まで含めて設計することが重要です。人事・給与・経営情報など機密性の高い文書を扱う場合は特に注意してください。
SharePoint上の社内文書とDifyを連携する場合の注意点は、DifyとSharePointを連携してRAGを構築する方法でも詳しく解説しています。
Difyをバックオフィスでどう使える?
では、私のような中小企業の管理部門ではDifyをどう使えるのでしょうか。
ポイントは「AIに全部任せる」のではなく、人が時間を使う必要のない前処理や下書きをAIへ移すことです。
社内問い合わせの一次回答
就業規則や各種申請マニュアルをKnowledgeへ登録し、よくある問い合わせへ一次回答する社内FAQを作れます。
規程だけでは判断できない案件は「人事へ確認してください」と分岐させるなど、AIが回答してよい範囲を限定することも重要です。
契約書チェックの補助
自社の契約チェックリストや過去の確認基準を参照させ、契約書の確認ポイントを整理する一次スクリーニングにも応用できます。
ただし、AIによる判定だけで契約締結の可否を決めるべきではありません。最終的な法的判断は法務担当者や弁護士など適切な専門家が行う前提で利用します。
定型文章や報告書の作成
入力されたデータをもとに、社内報告、メール案、会議資料の下書きなどを一定の形式で生成するWorkflowも作れます。
人間が毎回ゼロから文章を書くのではなく、AIが下書きを作り、人間が確認して完成させる運用にすると導入しやすいです。
システム間のデータ連携
APIやHTTP Requestなどを組み合わせれば、Difyだけで完結せず、別の業務システムから情報を取得したり、処理結果を別サービスへ渡したりできます。
ただし、ここまで進むと認証、APIキー、JSON、エラーハンドリングなどの知識が必要になります。
非エンジニアが最初から全社システムを作るのではなく、小さな1業務から試すのがDifyを使いこなすコツです。
Dify初心者は何から始めればいい?
DifyにはWorkflow、Chatflow、Agent、Knowledge、Pluginsなど多くの機能があります。
そのため、初心者が最初からすべて覚えようとすると迷いやすくなります。
私なら次の順番で進めます。
- まずDify Cloudで画面に慣れる
- 入力→LLM→出力だけの簡単なWorkflowを作る
- Knowledgeを追加してRAGを試す
- If/Elseや変数を使って処理を分岐する
- ToolやAPIで外部サービスと連携する
- 必要になってからTriggerやセルフホストへ進む
最初はDify Cloudで十分
「Difyはオープンソースだから、まず自分のパソコンへDockerでインストールしよう」と考える必要はありません。
2026年8月時点では、Dify Cloudに無料のSandboxプランがあり、コア機能を試せます。
現在のプラン内容はDify公式料金ページで確認してください。

まずはダミーデータを使い、「文章を要約する」「入力内容を分類する」といった小さなWorkflowから始めましょう。
ノーコードでもシステム的な考え方は必要
Difyを使い始めると、「ノードをつないだのに動かない」という場面が出てきます。
原因になりやすいのは、前のノードから何が出力され、次のノードへ何を渡しているのかを理解できていないケースです。
難しいプログラミングを最初から覚える必要はありませんが、次の言葉は少しずつ理解していくと楽になります。
- 変数
- 入力と出力
- 条件分岐
- 配列やJSON
- API
- 認証
- エラーログ

動画学習が向いている人もいる
Difyはキャンバス上でノードを配置しながら作業するため、文章だけを読むより実際の操作画面を見た方が理解しやすい人もいます。
特に、変数の選択、ノード間のデータ受け渡し、テスト実行、エラー確認などは、操作画面を見ながら自分でも同じものを作る学習方法と相性が良いです。
無料の公式ドキュメントから始める場合は、Dify公式のQuick Startを確認してください。
一方で、Difyだけでなく生成AI、API、業務自動化などを動画で横断して学びたい場合は、Udemyのようなオンライン学習サービスも選択肢になります。
動画でAI・自動化を学びたい場合
Udemyの個人向け定額プランを利用できる場合は、対象コレクション内の講座を契約期間中に横断して学べます。
ただし、Udemyにあるすべての講座が定額対象ではありません。Difyや生成AI、APIなど学びたいテーマの講座が現在の対象コレクションに含まれているか、申込前に確認してください。
\ 学びたい講座が対象か確認 /
※個人向け定額プランの提供状況、料金、対象講座、無料トライアル等は利用者や時期によって異なる場合があります。申込画面で最新条件を確認してください。
Udemyの定額対象講座を見分ける方法は、Udemyサブスク対象講座の確認方法で詳しく解説しています。
Difyを使うときの注意点
いきなり機密情報を入れない
Difyを初めて試す場合は、実在する顧客情報、人事情報、契約書などをいきなり投入しないでください。
まずは公開情報やダミーデータを使い、どのデータがどこへ送信されるのか、使用するLLMやプラグインのデータポリシーはどうなっているのかを確認します。
社内利用では権限管理も考える
RAGへ会社の文書を登録する場合、「誰がその情報を閲覧してよいか」というアクセス制御も必要です。
人事評価や給与情報など、本来一部の担当者しか閲覧できない情報を一般社員向けのAIへ混在させるのは危険です。
SharePointと組み合わせる場合の権限設計は、Dify×SharePoint連携ガイドも参考にしてください。
本番利用と学習用では考え方が違う
Dify Cloudで簡単なWorkflowを試す段階と、会社の本番システムとして運用する段階では必要な知識が大きく変わります。
本番利用では、ライセンス、セキュリティ、APIキー、ログ、バックアップ、障害対応なども考える必要があります。
そのため、最初から「全社で使う完璧なAI」を作ろうとせず、まず1業務だけを対象に小さく検証することをおすすめします。

Difyとは何か理解したら小さく作ってみよう
Difyとは、AIと会話するためだけのツールではありません。
LLM、社内データ、外部ツール、条件分岐などを組み合わせ、AIが仕事を処理する流れを設計するためのプラットフォームです。
名称はDefine+Modifyに由来し、AIアプリを作って終わりではなく、実際に動かしながら改善していくというDifyの考え方を表しています。
ChatGPTにもGPTs、Actions、Company knowledge、Workspace agentsなど高度な機能がありますので、「Difyだけが自律処理できる」と考える必要はありません。
ChatGPTを直接使う方がよい仕事もあれば、処理フローを明確に設計し、複数のモデルやシステムを組み合わせるためにDifyを使う方がよい仕事もあります。
大切なのはAIツールを増やすことではなく、自社のどの仕事を、どこまでAIへ任せるのかを決めることです。
まずは「社内文書を検索する」「文章を分類する」「報告書の下書きを作る」など、一つの仕事だけを対象に試してみてください。
Difyの基本操作を理解した次のステップとしてRAGを作ってみたい方は、Difyナレッジの記事から始めると流れを理解しやすいです。
\ 次は社内RAGを作ってみる /
