SkillStack Lab 運営者の「スタック」です。
日々の経理作業や面倒な確定申告の準備、本当に終わりの見えないコピペ作業にうんざりしていませんか。
最近は優秀なAIが登場して、特に話題になっているのがClaude Codeを活用したアプリの開発やその使い方に関する情報だと思います。
初心者でもPythonなどのコードを日本語のプロンプトで簡単に生成できると聞いて、なんとか自分の業務を自動化できないかと考えているかもしれません。
この記事では、元情シスで現役の管理部門長である私が、実際にターミナル環境でAIを動かして経理用のスクリプトを自作してみたリアルな体験から、なぜ税務や経理の業務においてAIでのプログラム自作が危険なのかをお話しします。
あなたが抱える自動化への期待と、その裏に潜む思わぬ落とし穴についてお伝えするので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- ターミナルで動作する自律型AIツールの衝撃的な開発スピード
- バックオフィス業務をAIで自動化する際の実例と見落としがちな罠
- 属人化や税制改正時のメンテナンス地獄という令和のVBA化リスク
- 経理や確定申告の定型業務は自作プログラムではなくSaaSに任せるべき理由
Claude Codeのアプリ開発と経理の罠
この章では、最新のAIツールを使って経理業務の自動化を試みた際の驚きと、その後に待ち受けていたバックオフィス特有の罠について、私の実体験を交えながら詳しく解説していきますね。
ローカルのターミナルで動くツールの衝撃
まず大前提として、Claude Codeは一般的なチャットボットとは全く異なります。
これはローカル環境のターミナル(CLI)で直接動作する、開発者向けの自律型ツールです。
黒い画面にコマンドを打ち込むだけで、AIが自らPC内のファイル構成を読み取り、コードの生成からファイルの書き換えまでを全自動で行ってくれます。
自律型AIがもたらす開発体験の変化
初めてこのツールをMacのターミナル上で起動し、プロジェクトの概要を読み込ませたときの衝撃は今でも忘れられません。
人間がエディタを開いて一行ずつコーディングする時代から、AIに「目的」を伝えるだけでシステムが出来上がる時代へのパラダイムシフトを、肌で感じた瞬間でした。
エラーが出てもAI自身がログを読み取って勝手に修正してくれるため、プログラミングの知識が浅くてもなんとかなってしまうという恐ろしいほどの利便性があります。
ターミナル(CLI)とは?
マウス操作ではなく、キーボードからテキストコマンドを入力してコンピュータを操作する画面のことです。
エンジニアがよく使う「黒い画面」ですね。
Claude Codeはここで直接稼働し、開発者の手を煩わせることなく自律的に作業を進めます。

GASやPythonをインストールし自動化
当時の私は、情シスの経験を活かして自社のバックオフィス業務を少しでも楽にしようと奮闘していました。
そこで目をつけたのが、バラバラのフォーマットで提出される各部署のExcel経費データを1つにまとめるPythonスクリプトの作成です。
日常的な定型作業の撲滅
ターミナルからClaude Codeに「このディレクトリにあるExcelファイルをすべて読み込み、特定の列だけを抽出して1つのCSVに結合するPythonスクリプトを作って」と指示を出しました。
さらに、Googleスプレッドシートを操作するGAS(Google Apps Script)のコードも生成させ、スプレッドシートへの自動転記まで連携させたのです。
作業は文字通り魔法のようにスムーズに進みました。手作業で数時間かかっていた集計作業が、スクリプトをポンと実行するだけで数秒で完了するようになったのです。

使い方を誤った確定申告スクリプトの罠
ここで私は、一つの大きな勘違いをしてしまいました。
「この精度なら、毎月の経理仕訳や確定申告用のデータ成形も完全に自動化できるのでは?」と考えてしまったのです。これが、後戻りできない罠の始まりでした。
法要件とビジネスロジックの壁
経理処理や確定申告のデータは、単なるファイルの結合とはレベルが違います。
税区分、インボイス制度の要件、減価償却のロジックなど、複雑なビジネスルールが絡み合っています。私はClaude Codeを使って、銀行の入出金CSVを自動で勘定科目に振り分けるスクリプトを意気揚々と組み上げました。
しかし、税務データは保存要件なども厳格に定められており(出典:国税庁『電子帳簿保存法関係』)、単に数字を合算してCSVを出力すれば終わり、という単純なものではありません。

重要な注意点
ここで紹介する税務や法律に関する事例、および費用削減の数値データは、あくまで一般的な目安としてのものです。正確な情報は国税庁などの公式サイトをご確認いただき、最終的な判断は税理士などの専門家にご相談ください。
日本語プロンプトで一瞬で完成した歓喜
もちろん、スクリプトの作成自体は驚くほどうまくいきました。
複雑な仕訳ルールの条件分岐も、自然な日本語のプロンプトで指示を出すだけで、Claude Codeが完璧なPythonコードに翻訳してくれます。
「完璧な業務改善」という錯覚
「接待交際費の上限チェックを入れて」「この取引先のフォーマットは特殊だから例外処理を追加して」といった要望にも、ターミナル上で対話するだけで瞬時にコードが修正されていきます。
手作業で行っていた月末の経理作業が数秒で終わるようになり、私は「完璧な業務改善(DX)を成し遂げた」と大きな歓喜に包まれました。
まさに、プログラミングの魔法を手にいれた気分だったのです。
料金が安くてもバックオフィス自作は危険
Claude Codeの利用にかかるAPIやトークンの料金は、専用の経理システムを導入するコストに比べれば微々たるものです。
一見すると、信じられないほどのコストパフォーマンスを叩き出しているように見えます。
隠れた「運用・保守コスト」
しかし、バックオフィス業務におけるシステム自作の本当のコストは、開発費ではなく「保守費」にあります。
特に税務や経理のルールは毎年必ず変わります。初期費用がいくら安くても、その後の変化に対応し続けるための「見えないコスト」を甘く見てはいけません。
安いからといって会社の根幹を支える経理システムを自前で組み上げると、後からとんでもないツケを払うことになります。

Claude Codeのアプリ開発と属人化
ここからは、AIによって爆速で作られたプログラムが、運用フェーズに入った途端に牙を剥く「属人化」という恐ろしいリスクについて、さらに深掘りして解説します。
翌年の税制改正エラーで地獄を見た体験
歓喜の瞬間から1年後、悪夢は突然やってきました。
税制改正によって、一部の消費税の扱いや申告フォーマットの仕様が変更されたのです。当然、前年に自作したPythonスクリプトはエラーを吐き出して停止しました。
ブラックボックス化したAIのコード
直そうと思ってターミナルを開き、当時のコードを見返しましたが、AIが一瞬で生成した複雑なロジックを、私自身が完全に理解できているわけではありませんでした。
エラーの箇所を特定し、AIに修正を依頼し直す作業は、ゼロから作るよりも遥かに難解で神経をすり減らす作業でした。自分が書いたわけではない「他人のコード」を解読しながら、さらに税制の要件定義をAIに正しく伝え直す。
まさに、保守地獄を味わった瞬間です。

VSCode連携で陥る令和のVBA化リスク
VS Code(Visual Studio Code)などのエディタと連携させることで、Claude Codeの開発体験はさらに向上します。
コードの差分を見ながら直感的にAIと開発を進められるのは素晴らしいのですが、これが逆に「令和のVBA化」という致命的なリスクを生み出します。
繰り返される歴史の悲劇
かつて、社内のExcel職人が複雑怪奇なVBAマクロを組み上げ、その人が退職した瞬間に誰も触れなくなる「ブラックボックス化」が社会問題になりました。
現在起きていることは、それと全く同じです。AIという強力な相棒を得て、さらに高度で複雑なプログラムを初心者が作れてしまうため、属人化のリスクはVBA時代よりもむしろ悪化していると言えます。
「AIが作ったから大丈夫」は大きな間違いなのです。

初心者が知るべき保守の限界と属人化
プログラムは「動いた時点」が完成ではなく、スタートラインに過ぎません。
OSのアップデート、依存しているPythonライブラリのバージョンアップ、そして何より社内ルールの変更。これらに追従していく作業を「保守」と呼びます。
引き継ぎ不可能な負の遺産
AIを使えばコードは書けますが、システム全体の依存関係を管理し、何年も安定稼働させるためのアーキテクチャ設計は、依然として高度な専門知識が必要です。
自分が作ったコードでさえ後から見直すと意味不明になるのに、AIが書いたコードの保守を、異動や退職後に別の担当者が引き継げるはずがありません。
結局、作った本人が未来永劫メンテナンスし続ける「一人情シス」のような悲惨な状況を生み出してしまうのです。
他AIとの違いは圧倒的でも防げない負債
Claude Codeは、プロジェクト全体を横断して自律的に修正を行う能力において、他のAIツールとは一線を画す圧倒的な性能を持っています。
しかし、どれほど優秀なAIであっても、「技術的負債(将来的に手戻りや修正が必要になる妥協した設計)」の蓄積を防ぐことはできません。
パッチワーク開発の末路
プロンプトによる指示が少しでも曖昧であれば、AIはその場しのぎのパッチワーク的なコードを生成します。
「とりあえず動くようにして」という指示を繰り返すうちに、システムはツギハギだらけのモンスターと化し、最終的には誰にも手が付けられなくなってしまいます。
根本的な設計思想を人間がコントロールしきれない以上、この負債の蓄積は避けられないのです。
💡 確定申告の「AI自作アプリ」は令和の時限爆弾。保守地獄になる前にSaaSへ丸投げしませんか?
記事でお伝えした通り、Claude Codeを使えば経理自動化ツールの自作は魔法のように簡単です。
しかし、一度作ってしまえば、毎年必ずやってくる税制改正やAPIの仕様変更に「あなた自身がコードを修正して対応し続ける(保守地獄)」という重い責任がつきまといます。
絶対に計算ミスが許されない確定申告や経理の領域で、あなたにしか中身が分からない「令和のVBA」を実務で回し続けるのは、企業にとってもあなた自身にとってもハイリスクすぎます。
「法改正のアップデートは、プロのベンダーに自動でやってほしい」 「自分が休んだり退職しても、誰でも直感的に操作できるシステムにしたい」
そんな本質的な業務改善を求めるバックオフィス担当者に向けて、元情シスの視点で実務にすぐ導入できる「脱・自作(脱エクセル)SaaSツール」を厳選しました。いきなり大掛かりな稟議は不要です。
まずは無料で試せるツールから、システムの保守運用から完全に解放される圧倒的な「安心感」をご自身の目で確かめてみてください。
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Claude Codeのアプリ開発よりSaaS
結論として、私の苦い経験から皆様に強くお伝えしたいのは、確定申告や経理といった「ルールが外部から強制され、頻繁に変更される定型業務」において、AIを使ったスクリプトの自作は絶対にやってはいけないということです。
餅は餅屋、経理はSaaSへ
AIによるコーディングの手軽さは魅力的ですが、法改正への対応、セキュリティの担保、そして属人化の排除を考慮すれば、専門のベンダーが保守を行ってくれるクラウド会計SaaSに丸投げするのが間違いなく最適解です。
| 比較項目 | AIでの自作(Claude Code等) | 専用SaaS(クラウド会計等) |
|---|---|---|
| 初期コスト | 極めて低い(API料金など少額) | 月額・年額の利用料が継続発生 |
| 法改正・税制対応 | 自分で調べて手動でコードを修正(高負荷) | ベンダーが自動でアップデート(負荷ゼロ) |
| 属人化のリスク | 極めて高い(制作者以外は保守不能) | 低い(誰でも使えるUIが用意されている) |
まとめ:AIの正しい使い所を見極める
Claude Codeのアプリ開発におけるポテンシャルは計り知れません。しかし、それは「独自のビジネス価値を生み出すコア業務」に使うべきです。
経理や確定申告のようなノンコア業務は素直にSaaSに任せ、私たちの貴重な時間とAIの力は、もっとクリエイティブで前向きな課題解決のために使っていきましょう。

