SkillStack Lab運営者のスタックです。
毎月の締め作業や仕訳入力、請求書処理に追われ、「経理を自動化したいけれど、どのソフトを選べばよいのか分からない」と悩んでいませんか。
結論から言うと、経理業務のすべてをExcelやVBAで自動化する必要はありません。
一時的な集計やCSVデータの整形にはExcelが便利ですが、複数人で行う仕訳、証憑管理、請求書処理、月次決算などは、法改正や権限管理に対応したクラウド会計ソフトへ移行した方が、長期的には管理しやすくなります。
この記事では、元情シス・現役管理部門長の視点から、ExcelやVBAを残してよい業務と、経理自動化ソフトへ移行すべき業務の境界を整理します。
そのうえで、中小企業が比較しやすい「マネーフォワード クラウド会計」「freee会計」「弥生会計 Next」の特徴と、失敗しない選び方を解説します。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。ただし、Excelを残した方がよいケースや、他サービスが向いているケースも含めて公平に解説します。
- 個人で行う一時的な集計:ExcelやPower Queryで十分
- 決まった画面操作の繰り返し:RPAが候補
- 仕訳・帳簿・証憑を一元管理:クラウド会計ソフトが適している
- 既存システムとの連携を重視:マネーフォワード クラウド会計が有力候補
- 経理以外もまとめて管理:freee会計も比較候補
- 分かりやすさとサポートを重視:弥生会計 Nextも確認したい
- ExcelやVBAで経理を自動化できる範囲
- クラウド会計ソフトへ移行すべきサイン
- 経理自動化ソフト3製品の特徴と違い
- RPAやAI-OCRとの使い分け
- 導入で失敗しない比較項目と移行手順
経理自動化はExcel・RPA・会計ソフトを使い分ける
経理を自動化する方法は、クラウド会計ソフトだけではありません。
Excel、VBA、Power Query、RPA、AI-OCRにもそれぞれ得意な業務があります。重要なのは、すべてを一つのツールで解決しようとしないことです。
| 自動化手段 | 向いている業務 | 注意点 |
|---|---|---|
| Excel・関数 | 一時的な集計、分析、シミュレーション | 複数人での同時更新や履歴管理には不向き |
| VBA | Excel内の転記、帳票作成、書式設定 | 作成者への属人化や保守負担が発生しやすい |
| Power Query | 複数CSVの統合、データの整形・変換 | 承認や証憑管理などの業務全体は管理できない |
| RPA | 複数システムをまたぐ定型的な画面操作 | 画面変更や通信状態の影響を受けやすい |
| クラウド会計ソフト | 仕訳、帳簿、証憑、決算、金融機関連携 | 月額費用、移行作業、社内教育が必要 |
Excelを使った自動化方法を先に整理したい方は、Excel自動化の具体例とツールの使い分けも参考にしてください。
また、VBAを残すべき業務と他の手段へ移行すべき業務は、VBAが時代遅れと言われる理由と代替手段で詳しく解説しています。
経理をExcelやVBAだけで管理する限界
私も管理部門へ異動した当初は、元情シスとしての経験を生かし、「経理の定型作業はVBAで自動化できる」と考えていました。
実際に、CSVデータの変換や指定フォーマットへの転記などは、VBAを使うことで短時間に処理できます。

実務ではイレギュラー対応が増え続ける
ところが、経理業務は単純な繰り返しだけではありません。
- 取引先から届く請求書の形式が変わる
- Excelの列やシート名を変更される
- 税区分や端数処理に例外が発生する
- 販売管理システムのCSV形式が変更される
- 法改正に合わせて処理方法を見直す必要が生じる
こうした変更が発生するたびにコードの修正と動作確認が必要になり、気づけば業務を楽にするためのマクロに、担当者が振り回される状態になります。
ExcelやVBAは、作成費用がかからないように見えても、開発、修正、テスト、問い合わせ対応に人件費がかかります。
さらに、作成者が異動や退職をすると、誰も修正できないブラックボックスになる可能性があります。

管理部門長としての判断基準
一人の担当者が使う補助ツールなら、ExcelやVBAでも問題ありません。
一方、月次決算や請求、支払いなど、止まると会社全体へ影響する業務は、担当者個人のマクロではなく、権限管理やサポートを備えたシステムで運用する方が安全です。
経理自動化ソフトが必要になる5つのサイン
次の項目に複数当てはまる場合は、Excelの改修を続けるよりも、専用ソフトへの移行を検討する段階です。
- 複数の担当者が同じファイルを更新している
- 毎月同じCSV加工や仕訳入力を繰り返している
- 請求書、領収書、仕訳データが別々に管理されている
- 誰がデータを変更したか追跡できない
- マクロのエラーが発生すると月次業務が止まる
- 銀行やクレジットカードの明細を手入力している
- 税理士へExcelや紙の資料をまとめて渡している
経費精算の申請や承認をExcelで管理している場合は、経費精算をExcelで続ける限界とSaaSへの移行手順も確認してみてください。
経理自動化ソフトおすすめ3選を比較
中小企業の経理自動化で比較候補になりやすいのが、マネーフォワード クラウド会計、freee会計、弥生会計 Nextです。
単純な機能数ではなく、既存システム、経理担当者の経験、経理以外の業務まで含めて選ぶことが重要です。

| サービス | 向いている企業 | 主な特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド会計 | 既存システムや金融機関との連携を重視する企業 | 明細の自動取得、仕訳候補、外部サービス連携 | 利用範囲や必要人数によってプラン選定が必要 |
| freee会計 | 経理以外のバックオフィス業務もまとめたい企業 | 業務フローを一体化しやすく、直感的に操作しやすい設計 | 従来型会計ソフトと考え方や操作が異なる場合がある |
| 弥生会計 Next | 分かりやすさやサポートを重視する企業 | クラウド型で、取引データの取り込みや自動仕訳に対応 | 必要な連携先や機能が対象プランに含まれるか確認が必要 |
料金、無料期間、機能、連携先、サポート内容は変更される可能性があります。契約前に必ず各サービスの最新情報をご確認ください。
マネーフォワード クラウド会計|既存システムとの連携を重視

マネーフォワード クラウド会計は、銀行口座やクレジットカードなどの明細を取り込み、仕訳候補を作成できるクラウド会計ソフトです。
すでに販売管理、POSレジ、給与、経費精算など、複数のシステムを使用している企業は、必要なサービスと連携できるかを確認するとよいでしょう。
複式簿記を基本とした画面設計のため、従来型の会計ソフトを使ってきた経理担当者にとっても、仕訳の流れを理解しやすい点が特徴です。
マネーフォワード クラウド会計が向いている企業
- 銀行・カード明細の入力を減らしたい
- 既存の業務システムを活用しながら会計を自動化したい
- 税理士や会計事務所とオンラインでデータを共有したい
- 将来的に経費、請求書、給与などもクラウド化したい
公式サイトでは、クラウド会計について1か月の無料トライアルを案内しています。クレジットカード登録の要否や対象プランなど、現在の提供条件は申込画面で確認してください。
\ 自社の明細や仕訳を自動化できるか確認 /
無料トライアル、料金、対象機能、キャンペーンの内容は変更される可能性があります。最新情報は公式画面で確認してください。
freee会計|バックオフィス業務全体をつなげたい企業向け

freee会計は、会計処理だけでなく、請求、支払い、経費精算などの業務フローをまとめて管理したい企業に向いています。
取引の登録から帳簿や決算書へ反映される流れを一体化しやすく、経理担当者以外も入力や申請に参加する運用を作りやすいのが特徴です。
一方、従来型の仕訳帳を中心とした会計ソフトとは画面や操作の考え方が異なる場合があります。
現在使用している会計ソフトに慣れた担当者がいる場合は、無料利用やデモ画面を通じて、操作方法が現場に合うかを確認しておきましょう。
弥生会計 Next|分かりやすさとサポートを重視
弥生会計 Nextは、弥生が提供する法人向けのクラウド会計ソフトです。
金融機関などの明細データ、請求書や経費精算の取引データ、OCRで読み取った情報の取り込みや自動仕訳に対応しています。
会計ソフトの操作に不安がある企業や、導入後のサポートを重視する企業では比較候補になります。
なお、旧サービスの「弥生会計 オンライン」は新規契約の受付が終了しているため、新たに比較する場合は「弥生会計 Next」を確認してください。
経理自動化ソフトとRPA・AIの使い分け
クラウド会計ソフトを導入しても、すべての作業が自動になるわけではありません。
既存の販売管理システムやインターネットバンキングなど、APIで直接連携できないシステムが残る場合は、RPAやPower Automate Desktopで補う方法があります。

RPAはシステム間に残る定型作業を補う
RPAが向いているのは、次のような「画面操作の手順が毎回決まっている業務」です。
- 販売管理システムから毎月CSVをダウンロードする
- データを所定のフォルダへ保存する
- 会計ソフトへインポートする
- 未処理データを担当者へ通知する
ただし、画面のレイアウトやボタンの位置が変わると停止することがあります。
会計業務の基盤をRPAだけで作るのではなく、クラウド会計ソフトを中心に置き、標準機能で連携できない部分だけを補完する使い方が現実的です。
AI-OCRと自動仕訳は確認作業をなくす機能ではない
AI-OCRを使うと、請求書や領収書から日付、金額、取引先名などを読み取り、入力作業を減らせます。
銀行やカードの明細から仕訳候補を作る機能も、経理担当者の負担軽減に役立ちます。
ただし、AIが提示した内容が常に正しいとは限りません。税区分、勘定科目、取引内容などは、人が確認してから登録する運用が必要です。
電子帳簿保存法への対応要件については、国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトも確認してください。
経理自動化ソフトの失敗しない選び方
経理自動化ソフトは、知名度や機能数だけで選ぶと失敗することがあります。
契約前に、少なくとも次の6項目を確認しましょう。

既存システムからデータを移行できるか
現在使用している会計ソフト、販売管理システム、給与ソフトから、仕訳やマスターデータを移行できるか確認します。
CSVの形式や移行できる年度、証憑ファイルの扱いも確認しておきましょう。
銀行・カード・周辺サービスと連携できるか
自社が利用している銀行、クレジットカード、POSレジ、経費精算、請求書サービスとの連携可否を確認します。
連携できなければ、導入後もCSVのダウンロードや手入力が残り、自動化の効果が小さくなる場合があります。
権限・承認・操作履歴を管理できるか
複数人で使う場合は、担当者ごとの閲覧権限、仕訳承認、操作履歴を管理できるかが重要です。
内部統制や監査への対応が必要な企業は、一般的な小規模法人向けプランだけでは機能が不足することもあります。
顧問税理士が対応できるか
顧問税理士や会計事務所が使用しているソフトや、データ共有の方法も確認しておきましょう。
税理士側の対応環境と合わない場合、データ変換や二重入力が発生する可能性があります。
現場が無理なく操作できるか
経理担当者だけでなく、申請を行う営業、管理職、一般社員が使いやすいかも重要です。
無料トライアルでは、管理者画面だけでなく、申請者や承認者の操作も試してください。
月額料金ではなく総コストで比較する
料金を比較するときは、基本料金だけでなく、利用人数、オプション、データ移行、初期設定、社内教育にかかる費用も含めます。
一方、現在のExcel運用にかかっている入力時間、確認時間、マクロの保守時間も人件費として計算する必要があります。
費用対効果を計算する簡単な式
毎月削減できる時間 × 担当者の時間単価 − システムの月額費用
さらに、入力ミスの修正、月次決算の遅れ、担当者の退職リスクなども判断材料に加えます。
経理自動化ソフトを導入する4ステップ

業務を棚卸しする
最初に、請求書の受領、仕訳、経費精算、支払い、入金消込、月次決算など、現在の業務を一覧にします。
「誰が」「何を見て」「どのシステムへ入力しているか」まで整理すると、自動化すべき作業が見えやすくなります。
やめる業務と標準化するルールを決める
過去の経緯だけで続いている帳票や、誰も利用していない集計表は、システムへ再現せず廃止することも検討します。
担当者の経験だけで判断している処理は、誰でも同じ判断ができるようにルールを明文化しましょう。
一部の業務と部署で試す
全業務を同時に切り替えると、現場の混乱が大きくなります。
まずは銀行明細の取り込み、特定部署の経費精算、請求書のデータ化など、範囲を限定して試します。
旧運用との並行期間を設けて全体展開する
試用期間中に仕訳結果や帳簿の内容を確認し、問題がなければ対象部署を広げます。
旧システムから完全に切り替える時期、過去データの保管方法、トラブル時の連絡先も決めておきましょう。
会計処理、税区分、電子帳簿保存法への対応などは、自社の状況によって判断が異なります。導入前に顧問税理士や社内の責任者へ確認してください。
経理自動化ソフトに関するよくある質問
小規模な会社ならExcelのままでも大丈夫ですか?
一人の担当者が行う簡単な集計であれば、Excelでも対応できます。
ただし、複数人で更新する、証憑を保存する、変更履歴を残す、税理士と共有するといった要件がある場合は、クラウド会計ソフトの方が管理しやすくなる可能性があります。
無料の会計ソフトだけで法人経理を運用できますか?
取引件数が少ない間は利用できる場合がありますが、仕訳件数、利用人数、データ保存、サポートなどに制限が設けられていることがあります。
本格運用を始める前に、事業が拡大したときの料金と移行方法も確認してください。
RPAを導入すれば会計ソフトは不要ですか?
RPAは画面操作を自動化するツールであり、帳簿、仕訳、証憑、権限、法令対応を管理する会計ソフトとは役割が異なります。
会計ソフトを業務の基盤とし、標準機能ではつなげられない作業をRPAで補完する方法が現実的です。
会計ソフトを導入すれば経理業務は完全に自動化できますか?
完全な無人化は難しく、仕訳候補、税区分、証憑の内容、例外取引などは人による確認が必要です。
目指すべきなのは、経理担当者を不要にすることではなく、入力や転記を減らし、確認、分析、資金管理に時間を使える状態です。
まとめ|経理自動化ソフトは無料トライアルで相性を確認する

経理自動化では、Excelをすべて廃止する必要はありません。
一時的な集計や分析にはExcelを残し、複数人で扱う仕訳、証憑、請求、決算などは、専用のクラウド会計ソフトへ移行するのが現実的です。
今回比較した3製品の選び方を整理すると、次のようになります。
- 既存システムや金融機関との連携:マネーフォワード クラウド会計
- バックオフィス全体の一体化:freee会計
- 分かりやすさや支援体制:弥生会計 Next
経理以外の勤怠管理や問い合わせ対応も含めてExcelから移行したい場合は、バックオフィス向け脱Excelツールの比較も参考にしてください。
まずは実際のデータで確認しましょう
公式サイトや説明だけでは、自社の仕訳方法や既存システムとの相性までは判断できません。
無料トライアルでは、銀行明細の取り込み、仕訳候補、CSV移行、税理士との共有方法を確認すると、導入後の運用を具体的にイメージできます。
\ 現在の経理フローを置き換えられるか確認 /
無料トライアル、料金、キャンペーン、対象機能、提供条件は変更される可能性があります。最新情報は公式画面で確認してください。
